「紙書籍」の新時代が到来!? 費用負担なしで書籍出版を実現する『TEAPOT』

「紙書籍」の新時代が到来!? 費用負担なしで書籍出版を実現する『TEAPOT』

投稿者:まこと

《忙しい人のための概要》

・300部の購入希望で紙書籍が出版できるサービス『TEAPOT』がクラウドファンディングを実施中(2020年1月末まで)
https://camp-fire.jp/projects/view/204500

・自費出版のように作家が金銭を負担することもなく、印税率も20%と高い設定
https://note.com/ys_renzo/n/n21cb4d921586

・代表はシステムエンジニアでウェブ作家の芳蓮蔵(よしれんぞう)さん  
https://twitter.com/renzo_yoshi

ADVERTISING

革新的な紙書籍出版サービス『TEAPOT』がスタート!

まこと

今回は、CAMPFIREでクラウドファンディングを実施中の出版サービス『TEAPOT』をご紹介いたします!

高波

これは面白そうなサービスが始まりますね!

まこと

高波さんは、「お魚1号」の名義でライトノベルを出版されたほか、編集者としても紙書籍の出版に携わって来られました。その観点から、『TEAPOT』のメリット・デメリットなどについてお話をして頂きたいと思います。

高波

はい、よろしくお願いいたします!

『TEAPOT』ってどういうサービスなの?

まこと

『TEAPOT』のサイトに登録された小説に、「この本を購入したい」という読者の申し込みが《300部数》に達すると、作者が費用などを負担することなく紙書籍が出版され、作者には20%の印税が支払われるというシステムです。

(画像はクラウドファンディングサイトより:https://camp-fire.jp/projects/view/204500

高波

自費出版との大きな違いは、「作者が費用を負担しない」という点ですね。表紙カバーや装丁などのイラスト・デザイン費用、ISBN(日本図書コード)の取得費用まで、すべて『TEAPOT』が負担をしてくれます。

まこと

さらに20%の印税ですか……そんなに美味しい話があっていいのかなと思うのですが、300部の売り上げが決まってからのスタートなので、採算が取れるということなのでしょうか?

高波

それにしたって、破格のサービス内容ですね。さらに『TEAPOT』では、出版権の独占的な利用など、作者にとって将来的に不利益になりえる契約を求めず、『TEAPOTを経由しての商業出版』までを視野に入れています。作家にとって、自分の作品の権利を奪われたり制限されることは最も警戒するところなのですが、『TEAPOT』を運営される芳蓮蔵さん自身もウェブ作家であることから、このような配慮がなされているのだと思います。

まこと

権利にきつい縛りがないので、安心してチャレンジが出来るということですね。

高波

読者のメリットも大きいです。小説投稿サイトなどで「投げ銭」と言われるシステムがありますが、リターンなしに金銭を送ったり受け取ったりすることは、なかなかに神経を使うものですよね。その点『TEAPOT』では、支援をした作品が書籍化に近づき、書籍化が実現すれば完成した作品が届きますので、「投げ銭」と比べて支援をしやすくなるでしょう。

クラウドファンディングとの違い

まこと

高波さんは、打ち切りになったライトノベルの続編プロジェクトをクラウドファンディングで実施されました。『TEAPOT』のサービスと比較して、どのような違いがあるでしょうか?

高波

クラウドファンディングでは、支援金を集めても、そこから作品の完成まで自分一人でやらなければなりません。イラストの発注、装丁デザイン、書籍の制作、在庫の管理や発送までとなると、かなりの時間と費用がかかります。その点、『TEAPOT』では運営側がすべてやってくれるので、作者の負担がありません。これは大きな違いだと思います。

まこと

そう考えると『TEAPOT』のサービスは本当に楽ですよね!
逆に、クラウドファンディングの方が有利だという点はありますか?

高波

クラウドファンディングでは、記念品やサイン色紙など、作品以外のリターンを用意できます。支援金額の幅も大きいので、高額支援をしてくれる方が一人でもいれば、目標を達成することが可能ですね。私のクラウドファンディングでも、お一人の方が高額の支援をしてくださいました。一方で「続刊を支援」してくださったのは30人にも達していません。

https://camp-fire.jp/projects/view/191121

300部の壁をどうやって超える?

まこと

読者は好きな作品に支援ができて、作者は費用を負担することなく、高いクオリティの紙書籍を出版することが出来る。いいこと尽くめに見える『TEAPOT』ですが、成功の鍵を握るのは「どれだけの作品が300部の目標を達成するか」ではないでしょうか?

高波

その通りですね。商業出版の採算ラインと比較すると10分の1以下ですが、個人で達成するには、かなりハードルが高い数字です。

まこと

高波さんのクラウドファンディングでさえ「続刊への支援」は30人に達しませんでした。商業出版をされましたし、サイトや音声作品やマンガまで作って宣伝しましたよね。その活動が『2019年Togetterまとめ30』にも選出されるほどでしたが……。

高波

そもそも、クラウドファンディングをやっていることを伝えるというのが難しいのです。仮に、私の作品を購入してくれた数千人の皆さんにDMを送ることが出来たら、もっと多くの人が支援をしてくれたかもしれません。読者と作家の距離は想像以上に遠く、出版社なしに読者と繋がることは困難だということを思い知りました。

まこと

そういった意味で、『TEAPOT』のサービスが広がれば、読者と作者の距離が縮まることが期待されますよね。

高波

本当にそう思います。
出版社とは異なった形での、読者と作者を繋げる場所になって欲しいですね。

まこと

『TEAPOT』が盛り上がるためには、何が必要とされるでしょうか。

高波

現実として、まずは商業レベルの話題作や人気作家が『TEAPOT』からデビューして、成功例を作ることが第一かなと思います。『TEAPOT』の利用者が増えて、運営の活動費が安定をすれば、宣伝なども打てるようになります。

まこと

最初の成功例や代表作があると、後続が続きやすくなりますよね。

高波

『TEAPOT』では、出版後の商業への移籍も認められているようなので、ファンの多い作品や作家の方々に積極的に挑戦をして頂きたいと思います。

『TEAPOT』を支援してスタートダッシュしよう!

まこと

こちらのサイトでは『TEAPOT』のクラウドファンディングが実施されています。高波さん注目のリターンはどれですか?

https://camp-fire.jp/projects/view/204500

高波

注目は【書籍化確約コース(300,000円)】ですね。
すでに一人の方が支援をされていますが、公式レビューを書いてもらえ、公式サイトで三ヶ月宣伝をしてくれるなど、サイトのローンチと同時に目立つことが出来そうです。すでに売りたい作品がある方、セルフブランディングに繋げたいという方は、スタートダッシュを狙える良い機会ですね。

『TEAPOT』誕生で、紙書籍出版の未来はどう変わる?

まこと

さて、今回ご紹介させて頂きました『TEAPOT』の登場で、出版業界に変革はもたらされるのでしょうか?

高波

可能性は大いにあると思います。読者は「本を提供される側」から「本になる作品を選ぶ側」になって、その過程や結果を楽しめるようになっていくかもしれません。『TEAPOT』ならではの柔軟さで、商業出版社では出来ない様々なことを、作者や読者の皆さんと共に挑戦してもらいたいですね。

まこと

TEAM AMUSE として『TEAPOT』と何か連携が出来ないか、考えてみるのも面白そうですね!

今後の活動に注目していきましょう!

この記事をシェアする

関連する記事